ロズウェル事件でUFOが墜落?軍が隠していた本当のこと
1947年、アメリカ・ニューメキシコ州のロズウェルにUFOが墜落し、軍が宇宙人の遺体を回収したという説。軍が「空飛ぶ円盤を回収した」と発表したのは本当ですが、落ちてきたものの正体は何だったのでしょうか。空軍の報告書をもとに解説します。
公開:確認日:
どんな説?
1947年の夏、アメリカ・ニューメキシコ州のロズウェルの近くに宇宙人の乗ったUFOが墜落し、アメリカ軍が機体と宇宙人の遺体をひそかに回収したという説です。政府はそれ以来、ずっと真相を隠し続けていると主張されています。
なぜ広まった?
- 軍が「空飛ぶ円盤」と発表した:1947年、牧場で見つかった残骸について、近くの陸軍の飛行場が「空飛ぶ円盤を回収した」と発表し、新聞でも報じられました。すぐに「気象観測用の気球だった」と訂正されましたが、最初の発表のインパクトは残りました。
- 30年以上たってから本で話題に:1980年に、事件を取り上げた本が出版され、「気球というのは作り話だ」と主張して再び注目を集めました。その後も、宇宙人の解剖を写したとされる映像など、のちに作りものとされる資料が次々に出回りました。
- 町の名物になった:ロズウェルには1992年にUFO博物館ができ、1996年からは毎年UFOフェスティバルが開かれています。町の名前とUFOが強く結びついたことも、話が語り継がれる理由になりました。
実際はどうなの?
- 説の言い分
軍が空飛ぶ円盤を回収したと発表した
実際はこれは本当です。ただし、軍はすぐに発表を訂正しています。牧場主が見つけたのは、ゴムの帯、金属のような箔(はく)、棒などの残骸でした。
- 説の言い分
「気象観測用の気球」はウソだった
実際はこれも一部は当たっています。アメリカ空軍は1994年の報告書で、残骸は「モーグル計画」という極秘計画の気球だったと説明しました。モーグル計画は、ソ連の核実験の音を遠くから聞きとるため、マイクをつけた気球を高い空に上げる計画でした。秘密の計画だったので、当時はふつうの気象気球だと説明されていたのです。
- 説の言い分
宇宙人の遺体を見た人がいる
実際は空軍は1997年の報告書で、こうした証言は、1950年代のパラシュート実験に使われた人形や、けがをした兵士、飛行機事故などの記憶が、長い年月の中でまざり合ったものだと結論づけました。
- 説の言い分
政府は今も真相を隠している
実際は空軍は、議員からの求めに応じて記録を調べ、報告書を公開しています。HISTORYの記事では、スミソニアン博物館の歴史家が、この2つの報告書で疑問の大半は解決したという見方を示しています。
見抜くポイント
- 「隠していた」理由はひとつとはかぎらない:軍が本当のことを言っていなかったのは事実です。でも、その理由は宇宙人ではなく、冷戦中の秘密の計画でした。何かが隠されていたとき、その理由にどんな可能性があるかを広く考えてみましょう。
- 何十年もあとの証言は、慎重に聞く:人の記憶は、時間がたつとほかの出来事とまざったり、あとから聞いた話で書きかわったりします。昔の出来事の証言は、記録とつき合わせて確かめることが大切です。
出典
- The Roswell Report: Fact versus Fiction in the New Mexico Desert(米国防技術情報センター(DTIC)収録の米空軍報告書)
- Roswell incident(Encyclopaedia Britannica(ブリタニカ百科事典))
- What Really Happened at Roswell?(HISTORY(A&E Networks))
2026年10月14日に内容を確認しました。リンク先の内容は変わることがあります。