月面着陸はねつ造?いちばん有名な陰謀論を3分で検証
1969年のアポロ11号の月面着陸は、スタジオで撮影されたねつ造だという説。「旗がはためいている」「星が写っていない」などの“証拠”と、それぞれの答えを、出典をもとにわかりやすく解説します。
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どんな説?
1969年7月、アメリカのアポロ11号が、人類ではじめて月面に着陸しました。この着陸は実際には行われておらず、テレビで流れた映像や写真は、地上のスタジオで撮影されたものだという説です。アポロ計画で行われたほかの月面着陸も、すべて作りものだったと主張されることがあります。
なぜ広まった?
- 1冊の本がきっかけ:今に続く主張の多くは、1976年にアメリカで出版された、ビル・ケイシングという人物の本にさかのぼるとされています。ケイシングは、アポロ計画に関わったロケット製造会社で技術文書を書いていた人です。本の中で、当時のNASAには月に安全に着陸する技術がなく、映像はスタジオで作られた、と主張しました。
- 政府への不信が強まった時代:1970年代のアメリカでは、ベトナム戦争について政府が国民にウソをついていたことが明るみに出たり、ウォーターゲート事件が起きたりしました。「国もウソをつくことがある」という感覚が広がり、説が受け入れられやすい空気がありました。
- 映画が話題を後押し:1978年には、宇宙船の火星着陸がスタジオで偽装されるという映画『カプリコン・1』が公開されました。この映画も、説が広まるのにひと役買ったと言われています。
実際はどうなの?
- 説の言い分
旗がはためいている
実際は月には空気がないので、風で旗がゆれることはありません。旗の上の辺には横向きの棒が入れてあり、広げた形のまま見えるようにしていました。しわは、たたんで運んだときについたものです。
- 説の言い分
星が1つも写っていない
実際は月面は太陽の光で明るく照らされていて、カメラは明るい景色に合わせて、光を取りこむ時間を短くして撮影していました。そのため、暗い星の光は写りません。地上でも、明るい場所を撮った写真に星が写りにくいのと同じです。
- 説の言い分
影の向きがそろっていない
実際は遠近法によって、平行にのびている影でも、写真では平行に見えないことがあります。地球でも、太陽が低い時間帯に同じことが起こります。
- 説の言い分
ヴァン・アレン帯を通りぬけられるはずがない
実際はヴァン・アレン帯(地球を取りまく、放射線の強い場所)はたしかにあります。ただ、宇宙船は速い速度で、短い時間のうちに通りぬけたため、問題にならなかったと説明されています。
そのうえ、着陸した証拠は今も月に残っています。2009年に打ち上げられたNASAの月周回探査機(LRO)は、アポロの着陸地点を上空から撮影しました。着陸船の一部や月面に置いた機材、宇宙飛行士が歩いた跡まで写っています。また、アポロ11号・14号・15号が月面に置いた反射鏡には、地上からレーザーが当てられています。地球と月の距離を測るのに使われていて、2019年の時点でも使われ続けていました。
見抜くポイント
- 写真の「おかしさ」だけで決めない:写真の写り方には、カメラの設定や光の当たり方など、さまざまな理由があります。「不自然に見える」と感じたら、ほかの説明がないか考えてみましょう。
- 説に合わない証拠もいっしょに見る:あやしく見える点だけを集めると、どんな説でも本当らしく見えてしまいます。着陸地点の写真や反射鏡のように、説と合わない証拠もならべてくらべることが大切です。
出典
- Moon landing conspiracy theories, debunked(Royal Museums Greenwich(英国王立グリニッジ博物館群))
- New LRO Images Offer Sharper Views of Apollo 12, 14, and 17 Sites(NASA Scientific Visualization Studio)
- How moon landing conspiracy theories began and why they persist today(マンチェスター大学(University of Manchester))
- Seeing the Light(Eos(米国地球物理学連合))
- 月面着陸はうそ? アポロ11号を取り巻く陰謀論(AFPBB News(AFP通信))
2026年10月14日に内容を確認しました。リンク先の内容は変わることがあります。