ノストラダムスの大予言は当たった?1999年7の月を検証
「1999年7の月、空から恐怖の大王が来る」。昭和の日本で大ブームになったノストラダムスの大予言は、人類の滅亡を予言していたのでしょうか。元の詩の中身と、ブームが広がったいきさつを解説します。
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どんな説?
16世紀のフランスの占星術師ノストラダムスが、「1999年7の月に、空から恐怖の大王が降ってきて、人類が滅亡する」と予言していたという説です。恐怖の大王の正体は、核戦争、巨大な隕石、宇宙からの侵略などだと、さまざまに語られてきました。
なぜ広まった?
- 1973年の大ベストセラー:作家の五島勉さんが1973年に出した『ノストラダムスの大予言』が、250万部をこえるベストセラーになりました。「1999年7の月」の予言が、日本中に「大予言」ブームを巻き起こしたといわれています。
- 「あと何年」というカウントダウン:はっきりした年と月が示されていたため、1999年が近づくにつれて、話題がくり返し盛り上がりました。
- 時代の不安と重なった:核兵器や公害など、将来への不安が語られていた時代でした。「世界はいつか終わるのでは」という気持ちと、予言の話が結びつきやすかった面があります。
実際はどうなの?
- 説の言い分
人類が滅びると予言していた
実際はもとになったのは、ノストラダムスの『予言集』第10巻72番の四行詩です。『陰謀論とニセ科学』の著者・左巻健男さんは、この詩には人類の滅亡についてはまったく書かれていないと指摘しています。「滅亡」と結びつけたのは、のちの日本での紹介のしかたでした。
- 説の言い分
恐怖の大王は核ミサイルや隕石のこと
実際はノストラダムス自身は、恐怖の大王が何なのかを説明していません。1999年が近づくと、本などで第3次世界大戦、彗星や隕石の落下、宇宙人の侵略などが唱えられましたが、どれも起こりませんでした。岩波書店から出た翻訳では、詩の中の「アンゴルモアの大王」は昔のフランス国王のことだろうと読み、世界の終わりではなく、よい時代の再来をうたった詩とされています。
- 説の言い分
ノストラダムスは歴史上の出来事を次々と当てた
実際はブリタニカ百科事典によると、ノストラダムスの予言はなぞめいた書き方のため、今も議論がたえません。はっきりしない言葉で書かれた詩は、何かが起きたあとで「これはあの出来事のことだ」と当てはめやすいのです。
- 説の言い分
1999年7月に何かが起きた
実際は1999年7月が過ぎても、人類が滅びるような出来事は起きませんでした。
見抜くポイント
- 「あとから当てはめた」予言に注意:あいまいな予言は、出来事が起きてから意味を当てはめれば、いくらでも「当たった」ように見えます。予言が出されたときに、何が起きると具体的に言っていたかを確かめましょう。
- 元の文章を確かめる:伝わっている話と、もとの文章がちがうことはよくあります。「〇〇と予言されている」と聞いたら、元の文章に本当にそう書いてあるかを見てみることが大切です。
出典
- Nostradamus(Encyclopaedia Britannica(ブリタニカ百科事典))
- 【追悼】伝説のベストセラー作家・五島勉の告白「私がノストラダムスを書いた理由」(文春オンライン)
- ノストラダムス「1999年7月に人類滅亡」と言っていない? “恐怖の大王”の意外な正体とは(弁護士JPニュース(左巻健男『陰謀論とニセ科学』より))
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