HAARPは地震や天気をあやつる兵器?アラスカの研究施設を検証
アメリカ・アラスカの研究施設「HAARP」が、地震や異常気象を起こす兵器だという説。軍のお金で作られた施設が実在するのは事実ですが、本当に地震や天気をあやつれるのでしょうか。運営する大学の説明をもとに解説します。
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どんな説?
アメリカ・アラスカ州にある研究施設「HAARP(ハープ)」が、じつは地震や大雨、台風などを人工的に起こす「気象兵器」だという説です。世界のどこかで大きな災害が起きるたびに、「HAARPのしわざだ」という投稿がSNSで広まることがあります。人の心をあやつる装置だと主張されることもあります。
なぜ広まった?
- 軍がかかわって作られた施設:HAARPは、アメリカの空軍や海軍などがかかわって建設されました。軍の施設というだけで、「何か秘密の兵器を作っているのでは」と想像されやすくなりました。
- 見た目のインパクト:アラスカの山の中に、180本のアンテナがずらりと並んでいます。人里はなれた場所にある、ふしぎな見た目の施設であることも、うわさを呼びました。
- 災害のたびに名前が挙がる:2023年にトルコ・シリアで大地震が起きたときも、地震の前に空が光ったという映像とともに、HAARPが原因だという投稿がSNSで広がりました。
実際はどうなの?
- 説の言い分
秘密の軍事施設
実際はHAARPはたしかに、1990年から2014年まで空軍と海軍が管理していました。ただ、2015年からはアラスカ大学フェアバンクス校が運営しています。年に一度、だれでも施設を見学できる日も設けられています。
- 説の言い分
天気をあやつれる
実際はHAARPは、電波を空に向けて送り、電離圏(でんりけん。地上60〜80kmより上にある、電気をおびた空気の層)を調べる研究施設です。大学の説明によると、その電波は雨や雲ができる低い空の層とはほとんど関わらないため、天気をあやつることはできません。
- 説の言い分
地震を起こせる
実際はAFPの取材に対し、ハーバード大学の教授は、HAARPのような施設が地震に影響をあたえるしくみは知られていないと答えています。地震は地下の岩盤がずれ動くことで起こるもので、空に向けた電波とは関係がありません。地震のときに空が光る現象は、揺れで送電線などが光ることでも起こると専門家は説明しています。
- 説の言い分
電離圏を熱しているのは本当
実際はこれは事実です。HAARPは電波で電離圏の電子を温め、そのときに起こる変化を観測しています。ただし、それは気球も人工衛星も届かない高さの空を調べるための、数少ない方法の一つとして行われている研究です。
見抜くポイント
- 「本当の部分」と「ふくらんだ部分」を分ける:軍がかかわった施設であることや、電波で空を熱していることは事実です。でも、そこから「地震を起こせる」まで話が飛ぶには、別の証拠が必要です。どこまでが確かめられた事実かを分けて考えましょう。
- 災害のときこそ、落ち着いて情報を見る:大きな災害のあとは、不安からわかりやすい「犯人」を求めてしまいがちです。原因についての情報は、専門家や公的機関の発表で確かめることが大切です。
出典
- HAARP FAQ(アラスカ大学フェアバンクス校 地球物理研究所(HAARP))
- Scientists at Alaska Research Lab Are Holding an Open House to Dispel Conspiracy Theories(Smithsonian Magazine(スミソニアン誌))
- Turkiye quake fuels conspiracy posts on US antenna station(Arab News(AFP通信の配信記事))
2026年10月14日に内容を確認しました。リンク先の内容は変わることがあります。