エルヴィスは生きている?有名人の生存説を検証
1977年に42歳で亡くなった「ロックンロールの王様」エルヴィス・プレスリーは、死んだふりをして今もどこかで生きているという説。墓に刻まれた名前のつづりやFBIの記録などをもとに、有名人の生存説がなぜ生まれるのかを解説します。
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どんな説?
「ロックンロールの王様」と呼ばれたアメリカの歌手エルヴィス・プレスリーは、1977年8月16日、42歳で亡くなりました。ところが、エルヴィスは実は死んだふりをして姿を消し、今もどこかで生きている、という説があります。
有名人が亡くなったあとに「本当は生きている」という説が語られるのは、めずらしいことではありません。アメリカの雑誌TIMEは、俳優のジェームズ・ディーンや歌手のマイケル・ジャクソンにも、同じような説があったと伝えています。日本の源義経の生き延び伝説も、よく似た形の話です。
なぜ広まった?
- あまりに突然の死だった:世界的なスターが、42歳という若さで突然亡くなりました。葬儀のすぐあとから、一部の人たちが「死を偽装したのでは」と言い始めました。
- 1988年の本と「目撃情報」:1988年に出版された本が、「エルヴィスはFBIの秘密の仕事をしていて、命をねらわれたため、身元を変えて姿を消した」という筋書きを広めました。翌年には目撃情報を集める会もでき、1990年の映画『ホーム・アローン』の画面のすみに写っている、といった話まで語られました。
- 墓に刻まれた名前のつづり:エルヴィスの家「グレースランド」にある墓には、ミドルネームが「Aaron」と刻まれています。一方で、公文書や本人のサインでは「Aron」でした。「わざとちがうつづりにしたのは、本物の墓ではない合図だ」と言われるようになりました。
実際はどうなの?
- 説の言い分
墓の名前がちがうのは、生きている合図
実際はたしかに、公文書やサインでは「Aron」でしたが、エルヴィスは後年、自分で「Aaron」のつづりを使うようになっていたと説明されています。
- 説の言い分
FBIの秘密の仕事をしていた
実際はFBIが公開した、1956年から1980年までのエルヴィスに関する760をこえるファイルに、そのような話は出てきません。TIMEによると、FBIがエルヴィスを捜査したことはなく、ファイルは、エルヴィスからお金をおどし取ろうとした事件などのために作られたものでした。
- 説の言い分
写真や映画に、生きた姿が写っている
実際は亡くなった年の大みそかに撮られ、「エルヴィスでは」と話題になった写真の人物について、エルヴィスのマネージャーだった人物は、グレースランドの警備員だったと説明しています。似た人が写っていることは、本人である証拠にはなりません。
- 説の言い分
死んだふりは、うまくいった
実際はエルヴィスを研究しているファンの一人は、医学的な証拠も、その場にいた人たちの証言も、すべてエルヴィスの死を示していると話しています。死を偽装するには、何百人、何千人もの人に口をつぐんでもらう必要があった、とも指摘しています。
同じ研究者は、生存説を信じることは、エルヴィス本人や家族に大きな迷惑をかけることになる、とも話しています。
見抜くポイント
- 「生きていてほしい」と「生きている」を分ける:大好きな人の突然の死は、受け入れるのがつらいものです。その気持ちが、うわさを信じやすくすることがあります。気持ちと、証拠が示す事実とを分けて考えましょう。
- 「そっくりさん」は証拠にならない:世界には、よく似た顔の人がたくさんいます。写真や映像に「似た人」が写っていても、それだけで本人だとは言えません。
出典
- Elvis Presley | Songs, Death, House, Movies, Daughter, Wife, Born, & Facts | Britannica(Encyclopaedia Britannica(ブリタニカ百科事典))
- エルヴィス・プレスリー(プロフィール)(ソニーミュージック(日本の公式サイト))
- Elvis Presley Died 40 Years Ago. Here's Why Some People Think He's Still Alive(TIME(米国の雑誌))
- Elvis Presley death conspiracies: long live the King(The Week(英国の週刊誌))
2026年10月14日に内容を確認しました。リンク先の内容は変わることがあります。